8月号 Vol.351【戦後80年に考える】

Written by 藤浪義孝牧師
8月15日は太平洋戦争が終結してから80年の節目にあたる。去る6月23日、沖縄全戦没者追悼式が平和記念公園で開かれ、日本各地に平和への祈りが呼び掛けられた。当日原発事故から14年経った福島にいた私は複雑な心境でラジオから流れる実況中継に聴き入った。石破総理大臣、玉城知事、日本被団協の田中代表委員、国連軍縮部門の中満事務次長が平和宣言を読み上げた。
特に私の心に響いたのは平和の詩「おばあちゃんの歌」を読み上げた小学校6年生の城間一歩輝さんだった。その詩は、1日にして20万人を超える人々が亡くなった沖縄戦の凄まじい惨状を思い起こさせた。戦争は実に生存者や子孫に精神的な深い傷を残す。今も癒えない戦争の惨しさに、平和の尊さを再認識しなければならないと考えさせられた。
マンハッタン計画によって核開発が急がれ、1945年7月16日原子爆弾の威力が評価された。翌月6日午前8時15分広島市に、その3日後の午前11時2分長崎市に原子爆弾が投下された。恐るべき大量破壊兵器が二度にわたって使用された。
「戦争を終わらせるためにやむを得なかった」と原爆投下正当化を主張した当時のハリー・トルーマン大統領と原爆開発における自らの役割を深く後悔した「原爆の父」ロバート・オッペンハイマーの相違にずれを感じる。原爆投下によってもたらされた甚大な被害に核の危険性が叫ばれる中、先進諸国の代表諸国は核開発廃止ではなく、更なる核開発を挑発した。核兵器廃絶を望む約150ヵ国に対して、新たな破壊力を現実化する核兵器開発を進める国々によって、現在、全世界は非常に危険なところに置かれている。
近日上映された映画「ミッション・インポッシブル」を鑑賞した。この映画はAIと核兵器を結びつけた現実味を帯びた作品だった。今にも起こり得る問題であること考えさせられた。AIの急速な発展でChat GPTが広く活用されるようになったが、それにはまった人の中には重度の強迫観念に取りつかれ、破壊的な結果を招いた者も出ている。急速発展するAIに頼ろうとする人間への警告のように思う。
創造主なる神が人をお造りになられた過程が創世記に啓示されている。善悪を知る一本の木は創造主なる神の権威と主権の象徴であった。しかし、「神のようになれる」との神の敵対者の声に騙された人は、神の権威と主権を軽視するというとてつもない大きな過ちを犯した。神に背いたその瞬時から事態は一転し、夫婦間に不和、家庭には分裂が起こり、権力争いが絶え間なく巻き起こった。神抜きの世界は実に虚しいことを世界歴史は語り続けてきた。
「剣を取るものは、剣によって滅びる」と仰せられたイエスキリストを本気で信じよ。この真理は、自分の背きの罪に酔うものは、その罪によって滅びることを暗示している。創造主なる神にひれ伏すまで、人間の権力欲は治らない。
キリストは、世の終わりの前に起こるべきことを事前に弟子達に繰り返し教えられた。それゆえに、人間が造った物を拝んでいる人よ。あなたの考え方を変え、万物の創造主なる神がおられることを認めよ。このお方だけを拝み仕えよ。
人間の背きの罪の代価を支払うためにこの世に人間となってこられた神の御子イエスキリストを信じる人よ。堅く信仰に立って、主イエスが警告されたように霊的に目を覚まし、この世に妥協せず、神を愛し、隣人を愛することを日々の生活で実行せよ。神の国をこの世にあらわすために存在する平和の君なる主イエスキリストの教会の一致を熱心に保ち、良き知らせを語り伝えることがこの時代に生きる私たちに責務であることを今一度深く考えさせられる。
「今月の言葉」
人の子は、思いがけないときに、突然来られるから。
マタイの福音書24章4節
今月の証
「ハワイからワイオミング」
ハワイ最後の日に、藤浪先生とお食事をご一緒したのですが、「神様のお決めになられた事は、すんなりいきます。」とおっしゃっていましたが、まさに、そのとおりだと思いました。ワイオミングでの生活は、今までの何処の土地とも違い、不便な中にも、洗練された豊かさが、あると思います。
「神様の偉大さの証明」
ワイオミングに来て始めた趣味が、マウンテンバイクなのですが、山に分け入るたびに、日々成長している草木、昆虫、日差しの違いによる、清流の水面の表情で、毎回違うものを見ている様です。まだまだ、私の知らない世界を神様が教えてくれています。
我々が無理と考えている事も、浅はかな知恵ではないでしょうか?また、我々が、出来ると考えている事も、浅はかな知恵なのでしょう。今もこうして、マキキチャーチと繋がっている事が、私には、神様の偉大さの証明であると思います。そして、ハワイの土地が、確実に、私の信仰心を成長させてくれました。
中野先生が、メッセージでおっしゃった様に、我々キリスト者は、聖書の知識があるので、必ず救われる事を知っており、どんな艱難辛苦にも勝つ事がわかっているので、幸せなのです。艱難辛苦は、我々に指一本ふれられません。
それは、我々の想像を超える神様のストーリーのキャストとして生かされているからです。自分で書いた筋書きは、何も面白くないとわかりました。シャローム。
編集後記
今月は戦後80年を想い返すメッセージでした。「戦争を知らない子供たち」という歌は1970年の大阪万博の時に歌われたそうです。あれから55年。戦争は体験していないけれど、世界中で戦争は起きています。戦争を知っている子供たちは沢山います。「平和をつくる者は幸いです その人たちは神の子どもと呼ばれるからです」(マタイ5章9節)反戦を訴える前にまず自分自身が平和をつくるものでありたいです。【玉寄朋子】
関連記事
Related
2月号 Vol.357【愛の月、そして立ち止まるとき】
2月は、バレンタインデーのある月として知られています。カードが交わされ、花が贈られ、愛が祝われます。そこには喜びがあり、期待があり、時には静かな孤独もあります。 日本では、バレンタインデーは少し独特な形で祝われてきました。女性が男性にチョコレートを贈り、「本命」「義理」「友」といった言葉も生まれました。1か月後のホワイトデーには、お返しが期待されます。この習慣を楽しいと感じる人もいれば、言葉にされない期待や社会的なプレッシャー、そして「自分の思いは返ってくるのだろうか」という不安を抱く人もいます。...
1月号 Vol.356【揺れる情報の中で、揺れない心を】
新年明けましておめでとうございます。 主の恵みと導きのうちに、2026年という新しい年を迎えることができましたことを、心より感謝いたします。 この恵みの中で、主任牧師のご引退により講壇が空いていた時期に、11月・12月の間、英語礼拝の講壇を担う務めが与えられ、アドベントの季節を、日本語会衆の皆さん、また英語会衆の皆さんと共に、御言葉と祈りをもって歩むことができたことを、心から神に感謝しています。英語会衆の温かい歓迎と祈り、そして礼拝への忠実なご参加は、私にとって大きな励ましとなりました。...
12月号 Vol.355【寄り添う存在を求めて】
不安の多い時代に、私たちはどこに安心や希望を見いだすことができるでしょうか。 未来が読めない時、経済的に苦しい時、そして心が疲れてしまう時、多くの人は「見えない大きな力」や「宇宙の調和」に思いを向けます。それは、現代社会の不安の中で、人が自然に求める心の反応なのかもしれません。しかし同時に、「大きな存在は感じるが、その愛はどこにあるのか」「日々の生活の中で確かなつながりを感じられない」と語る人も多くいます。...


