1月号 Vol.334【新年あけましておめでとうございます】
Written by 藤浪義孝牧師
新年を迎えるにあたって、京の「いろはかるた」の中で歌われた「蒔かぬ種は生えぬ」ということわざを思いました。種を蒔かなければ花も実もなるはずなどなく、収穫があるはずもないとのことから、何事にもそれなりの努力が必要であることを教えています。本当に自分を成長させようと思うなら、人のせいにせず、自分を吟味し、自分に問題を見つけることの大事さを思わされます。スコット・ソールズの著書「美しい人は偶然の産物ではない」(意訳)に感銘を受けました。偉人と呼ばれた人たちの苦悩が綴られている書物です。気付かされたことは、偉人たちが苦悩にもかかわらずではなく、苦悩があったからこそ、自分を最大限に活かし、人々の心に慰めと励ましを与えることに繋がったということです。
偉大な詩人ウィリアム・カウパーは、苦悩の中で希望に満ちた讃美歌を書き上げました。カウパーの作品の一つ「暗闇から輝く光」は讃美歌となり、人々にインスピレーションを与えました。偉大な画家フィンセント・ファン・ゴッホが「ジャガイモを食べる人々」は、最もよく知られている作品です。ゴッホは、苦境の中で自殺を熟考しながらも,貧しい農民の生活を描いた壮大な絵画は、多くの人を慰めました。大作曲家ベートーヴェンは難聴に苦しみ晩年はほとんど聞こえなくなりました。「説教のプリンス」と呼ばれた偉大な説教家チャールズ・スポルジョンは、深く落ち込んでいるときに優れた説教しました。スポルジョンの影響を受けた数々の偉人たちがいます。現在もスポルジョンの著書は人々の徳を高めています。
「奴隷解放の父」と呼ばれた第16代アメリカ大統領アブラハム・リンカーンや、「決して、決して、決して、諦めるな!」と国民を励ましたイギリス軍人ウィンストン・チャーチル、非暴力差別活動を行ったマーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、酷い憂鬱と闘いました。
作家C.S.ルイスは、結婚からわずか4年後に愛妻を癌で失いました。悲しみや喪失感との戦いの中で20世紀最も影響力のある著者となりました。 不正に投獄され、白人至上主義者の殴打や殺害予告に耐えたジョン・パーキンス、ホロコーストを生き延びたエリー・ヴィーゼルやコリー・テン・ブーム、悲劇的な事故で歩行能力を失ったジョニー・エリクソン・タダなど、偉人と呼ばれる人たちは、人や物事のせいにせず、自分に対して原因を問いただしました。どの人もみな、敗北、苦しみ、葛藤、喪失を体験しました。彼らの人生で共通しているところは、どの人も神を心の拠りどころにしたことです。それゆえに、苦悩に遭いながらも、感謝と感受性を持ち、人生を理解し、思いやりと優しさ、そして深い愛と心配りで満たされていました。偉人は、ただ偶然の産物ではないということを思い起こさせてくれます。今月の証
「神さまへのお喋り」
でも、その日に新約聖書をいただき、家に帰って生まれて初めてパラパラと読んだら、イエス様が十字架の上で死刑になる直前、イエス様を殺せと騒ぐ人々に対して祈ってあげている姿にショックを受けた私でした。
『父よ。彼らをお赦しください。彼らは何をしているのか、自分でわからないのです。』(ルカの福音書23章34節)最初は大歓迎したくせに手のひらを返して、イエス様を十字架につけた群衆たち。そんな人々に対して、怨みでは無くて こんなにも優しく祈ったこの方、人間ではなく神様なのかも?と、それまではイエス様のことをカトリック教会に飾られた銅像くらいでしか知らなかった私が、驚きと興味を持った瞬間でした。よく分からないまま日曜日ごとに教会に連れて行ってもらっていたら、ある日 伝道牧師の福沢先生を通して、神様が当時の私にまさにピッタリの言葉を教えてくださったんですよね。あの時は愕然としました。聖書の中にこんなにも愛に溢れたイエス様の言葉があったから!『すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。』マタイの福音書11章28〜30節) えっ、イエス様のもとに行けば 休ませてくれて楽になれるんですか?それなら私も一緒に生きていきたい!って真剣にお願いしました。そう、30年前のあの日あの時に私は重いくびきや大荷物をドサっと投げ出して、イエス様からの負いやすいくびきと軽い荷を背負いながら前を向いてニコニコ笑顔で生きていこう!と決心したんです。ではまた、神様にお喋りしに来ますね。まだまだ未熟で自分自身が情けなくなる時もありますが、神様、これからもどうぞ宜しくお願いします!編集後記
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