10月号 Vol.331【健全な価値観】
Written by 藤浪義孝牧師
私たちが抱いている価値観とはどういうものでしょうか。人々が抱いている価値観の軸となる主要な世界観が三つあります。それは「無神論」、「汎(はん)神論」、「有神論」です。「無神論」は文字通り、神の存在(霊的な存在)や超自然的な概念などの存在を否定する考え方です。「汎神論」は、「すべては神であり、神はすべてである」神は無限であり且つ非人格であり、すべてのものは、すべてを包含するという考え方です。「有神論」は、無から有を創造し、天地を創造された神は無限であり、人格をもった神が存在するという考え方です。
これら主要の世界観のうち、あなたはどの考え方を自分の価値観の基盤にしていますか。あなたの信じている世界観に基づいて、命についての基本的な質問を考え、答えてください。
- なぜ無ではなく有が存在するのですか。
- なぜ人間は存在するのですか。
- 人間の尊厳の根拠は何ですか
- 人間が考え、意志を持ち、感情を持つという人格の基礎は何ですか。
- 理性と合理性(道理にかなった性質)が存在する理由は何ですか。
- 道徳的意識(良心)が存在する理由は何ですか。
- 倫理、道徳、価値観の基礎は何ですか。
- なぜ宇宙に悪が存在するのですか。
- 幸福、喜び、美的感覚の基礎は何ですか。
- 宇宙における一個人の位置付けに関する問い:一致と多様性の問題に何と答えますか。
次号は、主要な世界観からこれらの問題に迫ります。
「神のなさることは、すべて時にかなって美しい」
今年のアメリカ宣教ツアーは6月19日から2か月間に及びました。白血病とコロナ禍をへて6年ぶりのツアーでしたから、喜びと不安が入り交じったスタートでした。ですが健康が守られ、すべての御用をはたす事が出来ましたのは主の守りと皆様のお祈りによるお支えがあったからです。心より感謝申し上げます。
6州において30回を超えるコンサートとお証しをさせて頂きましたが、今迄以上に多くの方々の涙に触れ様々な問題・状況をお分かち頂き、共に祈って参りました。
その中からこの方のために遣わされたのだと改めて気づかされた事を、皆様にお分かちさせて頂きます。
以前から交流がありました50代の男性は、洗礼を受けて15年程の化学研究者です。自分の罪を認め、その罪の為イエスキリストが身代わりとなり十字架にかけられ、今も生きて働いておられる事は信じていても聖霊の事はどんなにメッセージを聴いても、クリスチャンの交わりを通しても理解できなかったそうです。
ですが、私の証しを聴き破壊された骨髄が再生して血液を作り出したという、ありえないことが起きた事と肺を侵していた真菌(お調べになったそうです)を取り除き今も生きている私の姿をみて、聖霊の働きを認めざるをえなく理解されたそうです。
固く閉められていたカギがはずれた時でした。とても頭の良い方ですから、目に見えない存在に対して解き明かしがなくてはいけなかったのです。聖書からお話をしていても嚙み合わないことが多々あり、捨てセリフをあびいやな思いをしたこともありました。そんな彼と今回は深くみ言葉をお分かち出来たのです。私の長い入院生活と余命宣告において、主のご介入と主との交わりをとても興味深く聞いておられ、その表情も晴れやかでした。次回お会いする日が楽しみです。
もう一つはマキキ・プリスクールの子供たちの前で賛美させて頂いた時の事です。みな真剣に聴いてくれ、その姿に感動を覚えつつ、終了後子供たちを見送っていると、小さな男の子が両手をいっぱいに広げハグする為に私に近づいてきてくれたのです。その子につられるように他二人の子供も喜びのハグをしました。満面の笑みでハグしてくれる姿に、言葉ではなく、心でつながり主が触れて下さったのだと感じました。私達は疲れも吹き飛び、力と励ましを受けた瞬間だったのです。大人の頑なで自分の経験や理解で考えている心と、幼子の素直でありのまま受け取る心。この二つの事により考えるのではなく信頼する事を強く覚えさせていただきました。
伝道者の書三章十一節:神のなさることは、すべて時にかなって美しい。神はまた、人の心に永遠を与えられた。しかし人は、神が行うみわざの始まりから終わりまでを見極めることができない。
へブル人への手紙十章十節:このみこころにしたがって、イエス・キリストのからだが、ただ一度だけ献げられたことにより、私たちは聖なるものとされています。イエスキリストがなされた従順により私達一人一人は聖なる者とされています。この自発的な従順は私達への信仰の模範です。失敗ばかりしている私を主は「それでもあなたは聖なる子供だ」と言って下さっています。こんなに感謝な事はありません。お一人でも多くの魂を救うため、又信仰の回復が必要な方々のためにも従順に時が良くても悪くても主の栄光をお証しさせて頂きたく願っております。
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