12月 21, 2023 | 天主閣便り

12月号 Vol.333【希望のメッセージを書いた人】

Written by 藤浪義孝牧師

遠い昔、今から約二千五百年前、イザヤ(「主は救い」名前の意味)という預言者がいました。イエスが生まれる前から五〇〇年も前にキリストの到来とその生涯を預言しました。この人が書いた書物は「イザヤ書」とタイトルがつけられ、聖書の著作の中でも来たるべき救い主について預言したことで最も重要な書物とされています。特に、自国を失い、遠い異国の地で多数派の人たちから差別を受け、就労も困難になり、毎日辛い生活を強いられていた人々に将来の希望を与えるために仕えた人でした。  イザヤが書いた書物はあるのですが、この人自身、どのような人物であったのかほとんどわかっていません。ただこの人がアモツという人の息子であり、一人の妻の夫であり息子がいたことです。イザヤが偉大な預言者であったことは聖書の「列王記」と「歴代誌」に記されていますが、今日の著名な講演者のようではなく、とてもプライベートな人でした。イザヤの働きは、自分自身ではなく、将来に希望を持たせるために人々に神を知らせることでした。そして、無口であったにもかかわらず、イザヤが書いた言葉は、憂鬱感と絶望感にひしがれていた人々に希望を与えました。イザヤが書き記したことと、彼自身の生き方が一致していることが、人々の心に影響を与える大きな要因でした。

人の心を調べることによって、その人がどのような人であるかを知ることができます。

イザヤの著作から、この人が誠実で、神のみ前で謙っていた人であったことを知ることができます。当時の王や王の宮廷で仕えている人たちから尊敬されていました。国が敵国から攻撃され、廃墟となった危機的な時も、彼の敬虔な生き方は変わりませんでした。どうして彼の時代の人々が彼の言葉に耳を傾けたか理解できます。バロック音楽の署名な作曲家ヘンデルもイザヤの著作に心動かされ、あの偉大なオラトリオ「メサイア」作曲しました。

  文明の進歩にもかかわらず、今日の世界は古代の世界のように、平和への希求と戦争への恐怖にさいなまれています。紛争や戦争の知らせを目にするとき、私たちは、しばしば憂鬱と絶望に包まれます。しかし、神と密接に歩んだイザヤが書いた預言書は、紛争と戦争への恐怖に苛まれる現在の世でも、小鳥が美しい声で自分の仲間に絶え間なくさえずるように、イザヤが書いた神のみ告げは、希望のさえずりの如く、二千五百年以上たっても響いています。

『 ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。 その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これをささえる。今より、とこしえまで。万軍の【主】の熱心がこれを成し遂げる。』(イザヤ書9章6節7節) 預言された通りに、ひとりの男の子が、ベツレヘムというところで生まれました。そのみどりごは、イエス(救う者)と名付けられ、その一生涯、行いにも、言葉にも、力があり、例の無い非常に優れた助言者として人々から慕われました。「互いに愛し合いなさい」と教え、まことの愛の道を示されました。この方に信頼した人たちは、内側から素晴らしく変えられました。このお方こそイザヤが預言したメシア(キリスト)であると期待をかけましたが、国の指導者たちは、この方を拒み、不正に裁きました。ついには呪いの象徴であった十字架の木に磔にされ死なれました。しかし、イザヤが預言していた通り、この方は三日目に死者の中からよみがえられ、天に上られました。
イザヤは、さまざまな問題に怯える人々の憂いを義と平和の喜びに取って代えるために、この方が再びこの世においでになられると預言しています。戦争と破壊、闇と暗黒にいる人々に希望の灯火が輝いていると。 このクリスマス、古代から人々に希望を与え続けた聖書を開いてお読みください。新年を迎える皆様に希望の光が照らされ、神の平和がありますようにお祈りいたします。どうぞ良いお年をお迎えください。
今月の証 「神様ありがとう」
Written by ヒルトブラント洋子
ダダダダーン!細胞検査の結果やっぱり大腸がん! 開腹手術。初期で薬の一粒も飲まずに終わった。26年前の事。しかし今回はステージ1の乳がんで、そうはいかなかった。手術の後は抗がん剤治療、放射線治療だって。 (キャー!!) YouTubeには副作用のつらさで苦しんでいる人の悲しみがいっぱい。折しも主人が歩くのにも車に乗るにも痛みが増し困難を訴えている時。よし、癌治療はやめて主人の治療に専念しようと決心をして夫婦でドクターに面会。ところがドクターの勧め、友達の祈りに励まされて治療を始めることになった。あの手術から1年経った。予定の治療が全て完了!! 先日5年ぶりに受けた大腸がん検査の結果も心配無し。ああ、めぐみ!  「神さまありがとう」。怖がって股関節手術など、念頭に無かった主人、T共恵さんのご主人がわざわざ訪ねて来てくださり、『ダイ- ジョウ -ブ、ナンテコト 無いさ』89歳で手術されたことを聞いて励まされた主人。「The Lord is my shepherd; I have all that I need.」と手術台でも繰り返していたとか。八ヵ月後の今、スイミングとベーキングを楽しむ。お菓子を作っては「世界一のグランパよー、I love you!」ハッグして貰うのがなによりも嬉しい。
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことにおいて感謝しなさい。これが、キリスト・いえすにあって神があなたがたに望んでおられることです。」

「神さまありがとう」。どのドクターも看護師も本当に優しくて励まし上手。

「神さまありがとう」。遠くで近くで祈ってくれている友を。私が会ったこともない人も祈っていてくださってる事を。食事を作ってくれる友、さながらウーバーの様に運んでくれる友。車の便が必要な時はいつでも教えてねと言ってくれる友。 電話やメールなどで励ましてくれる友。手を振ってニコッと笑ってくれる友、顔色がいいねと言ってくれる友。元気そうだけどほんとは辛いでしょうと気遣ってくれる友。元気になってねとステキな服を、可愛いぬいぐるみをプレゼントしてくれる友。お食事に誘ってくれる友。実に多くの友からあれやこれやと励ましを、お心を頂戴した~。 「神さまありがとう」。足の痛みをがまんして病院の送迎をしてくれた夫を。神さまの素晴らしいタイミングで車体の高い車が与えられ運転がとても楽になった。自分も不自由なのに常に私を労わってくれる夫。彼の世話する私にいつもありがとうと言ってくれる。その昔のむかし、本気で離婚も考えた事もあった。今では、私たちは思いっ切りの愛を表せる大切なお互い。、神さまが与えてくださっている友に深く感謝している毎日を過ごしている。ああ、めぐみ! ああ、めぐみ! 『いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことにおいて感謝しなさい。これが、キリスト・いえすにあって神があなたがたに望んでおられることです。』第1テサロニケ5:16-18

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