5月 3, 2024 | 天主閣便り

5月号 Vol.337【シートベルト着用】

Written by 藤浪義孝牧師

航空機で旅行する人のほとんどは、目的地までのスムーズなフライトを楽しみます。一度ならず二度までも,ある航空会社員のご厚意でビジネスクラスの席に乗せていただいたことがありました。まるで自宅にいるようにくつろげました。このような便利さを享受できる現代科学の進歩はありがたいものです。パイロットは、推力と揚力によって可能な限りスムーズに飛行機を操縦します。しかし、乱気流と遭遇することがしばしばあると聞きました。気候変動で激しい乱気流との遭遇が近年増加しているというのです。猛烈な風によって引き起こされた乱気流に巻き込まれ、パイロットが着陸を断念しなければならないときもあり、場合によっては乗客が負傷したりします。 ある日、シカゴから日本行きの航空機が離陸するやいなや、経験したことのないような嵐に遭遇しました。熱風が飛行機を揺らし、パイロットは最悪の乱気流を避けるルートを見つけることができませんでした。 揺れだけでなく、風にあおられ、機体は左右に、また前方後方に傾きました。機内は不気味な静寂に包まれ、頭を下げて祈る乗客も少なくありませんでした。現在の中近東と東欧で起きている政治的・軍事的紛争、それを取り巻く混乱、そして深まるこの国の分断は、あの時の乱気流を思い起こさせます。

「シートベルト着用サインがついていなくても、突然の揺れに備えてシートベルトをお締めください。」この機内アナウンスが心に響きます。

安全対策のためにシートベルトを着用することは懸命です。私たちの魂のためのシートベルトがあります。航空機内にはシートベルト着用サインや警告音、煙を感知する警告ランプなど安全装置が装備されています。車のダッシュボードにも安全のための警告ランプが備えられています。聖書は、私たちの魂のために警告を与えています。「シートベルトを締めてください」という注意喚起のように、このような激しい「乱気流」の世の中だからこそ、あなたも私も聖書の警告メッセージに耳を傾けるべきです。

ここで注目したいのは、最も採用されていない安全ベルト、すなわち相互の責任です。この世は、ご存知のように、さまざまな問題を抱えています。ストレスが蓄積される中で、嫉み、争い、憎しみ、復讐心によって人間関係が蝕まれています。人と一緒にいることがもどかしいと感じる人が少なくありません。

このような状況にいる人に、ヘブル人への手紙10章24-25節は、「愛と善い行いとを奮い立たせるために、互いのことを思いやり、ある人たちのように、互いに集まることをやめないで、互いに励まし合いなさい」と勧めています。
一般自動車のシートベルトは3点式と呼ばれていますが、これは車のシートの両側と肩の上という3つの場所でつながっているからです。それと同じように、私たちの魂の安全を確保するためには、私たちがつながっていなければならないことが三つあります。

毎週日曜日の礼拝に出席すること。このことは、あなたの全存在の健康を大事にしてくれる人々に会い、会話する好機を与えます。神を敬う人々が礼拝堂に集まって教会として行う礼拝に出席するだけで、自分が 「健康 」であることを意思づけすることになります。これはスタートです。

交わりをもつこと。神を敬う人たちとの関係を大事にすることです。日曜学校の聖書クラス、礼拝でのアロハの時、礼拝後の愛餐会、交わり、毎週(あるいは定期的に)集まる家庭的なミニチャーチなどです。このような交わりの時は、礼拝ではできないことをすることができます。
話したり、交流したり、貢献したり、質問したり、答えを得たり、他の人への奉仕に参加したり、自分の霊的賜物を用いたりなどです。家族は責任の自然な源です。 バランスが取れた連帯責任に加えて、個人の自己責任感を大事にして、個人的なレベルで交わる必要があります。すべての人は、条件を付けずに、そのままの自分を愛してくれる、親密で信頼できる誠実な友人を何人か持つことが必要です。このような友人たちは、必要な時には祈り、泣き、傷さえも負います。「憎む者が口づけしてもてなすよりは、愛する者が傷つけるほうが真実である。」(箴言27:6) あなたはこれらの3点式シートベルト 「魂のためのシートベルト」を持っていますか。この勧告は、シートベルト警告音のように、時として煩わしく感じます。しかし、 「不法がはびこるので、多くの人の愛が冷たくなる」(マタイ 24章12節)と警告された通りのことが起こっていますので、尚のこと私たちの全存在の健康のために魂のためのシートベルトを着用しましょう。

今月の証
「ハワイ異文化体験リフレクション」

Written by 藤澤佑介

キャンプ Camp Homelani

キャンプホメラ二を訪れたのは10年ぶりではないだろうか?夜行でのフライトで睡眠不足の中で参加する初日は確かに体力的にきつかったが、総じて本当に良い経験になった。特に感じたのは、マキキの若い世代が昨年に比べて盛り上がってきていることだった。キャンプリーダーをジョーダン・タケモトが務め、グループリーダーとしてミミ、キャミ、マリ、クリスチャンなど若い力が活躍。コロナで大きく活動が停滞してしまっていた中で、こうした場がリーダーシップ訓練として大きく用いられていることを感じた。また、デズモンドさん、レスさん、クレイさん、ライラさんなどレインボーコネクションに何らかの形でこれまで関わってきてくれた人がこうして携わってきてくれていることを見たときに、これまで20年の長い時間をかけて少しずつコネクションが広く深く浸透してきたことを感じた。

まさに種まきの活動が実を結んできたのを見る思いであり感慨深い。今回参加した生徒がその思いに本当の意味で気づいていくにはもう少し人生経験が必要だろう。今後土佐塾から過去に参加した生徒が年を重ねていく中でどんな動きが出てくるのかに希望がもてると感じた

「神への信仰実践の機会であり、訓練でもある」

マキキ教会の礼拝 Sunday Worship Service

今回、キャンプに先に行っていたこともあって、英語部のサンデースクールに行って交流できたのがよかった。また礼拝後もその子たちが残って一緒になって遊べる機会があったのはとてもよかった。昨年よりもマキキユースが元気になっているのを感じるし、まだ全体的に年齢は若いけれど、だからこそこれからがとても楽しみ。今度の6月のRCで、核になるようなリーダーが育ってくれるといいなと願う。以前よりも日本語部と英語部の壁を感じなくなっている自分がいる。単に英語部に知り合いが増えたからか?

藤浪先生の説教も、ハワイの歴史を語ってくださり、改めてとても勉強になった。なぜか今回は歴史が自分のテーマになっている。砂糖産業の勃興、持ち込まれた病原菌によるハワイ人口の減少、労働力の不足、カラカウア王の世界旅行と移民の要請、明治天皇への謁見と官約移民の派遣、そして日系移民の暮らしの苦しさと退廃的な生活、これらがすべて歴史のうねりとなり、奥村牧師のハワイ移住、そしてマキキ教会の設立につながっていく。藤浪先生の「マキキ教会は120年にわたり、神の前に責任ある人間として生きる姿を証してきた」という言葉が、この歴史の上に成り立つものだということがとても心に響いた。そして自分もレインボーコネクションを通してその一部分であるということ、あくまで神のわざの一部を担わせてもらっているのだということ、改めて背筋が伸びる思いであった。

テリーさん宅プールサイドBBQ BBQ Party at Terry Yamamoto’s Home

なぜだかわからないけれど、本当にマキキの一人ひとりの愛でこのプログラムが成り立っているのだということを感じた時だった。この日は祝日だったが、他の用事を差し置いて、この場に参加をしてくれるということはレインボーコネクションへのコミットメントであるということであり、それがとてもありがたく感じた。あるマキキメンバーの方が、レインボーコネクションは子どもたちに仕えるということを通して、神への信仰実践の機会であり、訓練でもあるということを話してくれていた。至らないことも多い子どもたちと向き合う時に、「してあげている」と上から目線になってしまう自分に気付かされることも多いが、そうではなく神に仕えるように「仕える」のであると。コロナで色んなことがストップしたからこそもう一度気付かされた価値なのかもしれない。6月にはいよいよマキキから高知への送り出しも再開する。1年前と比べて1回りマキキユースは数の面でも質の面でも成長したと感じたが、6月のRCの機会がさらに大きな飛躍の機会となると思っている。高知で受け入れる側も久しぶりであるが真摯に向き合いたいと思わされた。

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