8月 24, 2024 | 天主閣便り

8月号 Vol.340【人生はひとりでするものではない】

Written by 藤浪義孝牧師

パリ・パラリンピック開催まであとわずかです。第二次世界大戦で負傷した兵士のためのリハビリテーションにスポーツを取り入れたことが発端となり、1948年ロンドンオリンピック大会時に車椅子選手のアーチェリー大会からパラリンピックは発展しました。困難なことがあってもあきらめず、支える人たちの懸命な支援とアドバイスに創意工夫と思考を凝らすアスリートたち。その姿は、新たなインスピレーションを私たちにもたらします。

2009年米国スポーツ専門チャンネルESPNがオハイオ州クリーブランド市内に住む二人の高校生を特別取材しました。取材に応じた高校生は、ダータニョン・クロケットくんとリロイ・サットンくんは、当時、同市高校のレスリング部のチーム仲間でした。取材は、全盲のクロケットくんが、両脚のないサットンくんを背負っている場面から始まりました。

ESPNベテランプロデューサーのリサ・フェンさんは、番組制作を終えた後、このように言いました。

「両脚のない人が盲目の人に担がれている姿は、私の心から離れません。」そしてファンさんは、その町に残り二人の大学進学を支援することを自ら引き受け、世界中から寄付金を集めるために活動し、大学訪問をコーディネートし、毎日十分な食事を彼らに与えるように配慮しました。そしてついにファンさんの努力が実り、クロケットくんは、2010年ロンドンパラリンピックで柔道の銅メダリストを獲得し、サットンくんは、家族で初めて大学を卒業しました。

メディアの騒ぎが一段落した後、サットンくんは「なぜ撮影後に僕たちの町に残ったのですか?」と尋ねました。ファンさんは、 「君たちを愛しているからよ」と答えました。「だと思った。でも、どうして僕たちのためにこのようなことをしてくださったのですか?」後日、リサ・フェンさんは、二人に当てた手紙にこのように書いています。

『私は、クリーブランド市の反対側で育ちました。両親は、「あの人たち がいるところ」と呼んでいる公立学校から私を守るために、私立学校に通うお金をかき集めたのです。にもかかわらず、クロケットくんとサットンくんは、私を快く受け入れてくれたのです

クロケットくんも、サットンくんも、自分たちのありのままの現実の苦悩を正直に、分かち合ってくれました。クリケットくんは、今まで長い間、自分の本当の姿を誰かに知ってほしいと待ち望んでいました。サットンくんは、もっと不本意な告白をしました。彼は、これまで何度も感情的に見捨てられたことがあったのです。しかし、二人とも、私が本当に気にかけてくれているのかもしれないと思うようになりました。私がその町にとどまったのは、彼らの信頼を踏みにじって出て行った人々のリストに、私の名前が次に載らないようにするためです。一度しかない人生です。それを捧げるまでは本当の意味で生きることはできないから。他の人の世界に入ってこそ、世界を変えることができるから。あなたを愛しているから。』

全盲のクリケットくんは、障害と向き合い、幾多の苦闘に打ち勝ち、パラリンピックで銅メダルを獲得しました。両足がなく、見捨てられる痛みを幾度となく体験したサットくんは、生活困窮世帯から大学に進学し卒業しました。二人ともハンディーを克服したのです。そこには、家族のささえがありました。そして見ず知らずであった人が、彼らに寄り添い、彼らの必要に気づき、励まし、挑戦し、偽りのない愛のサポートがありました。まことの愛のサポートは、どれほど大きな力をもたらすことでしょうか。

「あなたの手に善を行う力があるとき、求める者に、それを拒むな。」箴言3:27

私たちの人生に助けを必要とする人を配置するのは神のわざです。人を助けるための資源を私たちに与えるのも神のわざです。私たちはただ、神が与えてくださった良いものを用いて積極的に行動することにおいて忠実であるべきです。というのは、

たとえ重度の障害を持っていても、前向きに取り組むパラリンピックのアスリートたちには、前後左右からささえる人がいるのです。訓練を積み重ね、精神的にも肉体的にも整えて競技力を試合で発揮する彼らの姿に、人生はひとりでするものではないことを痛感するのです。

「約束された方は真実な方ですから、私たちは動揺しないで、しっかりと希望を告白しようではありませんか。 また、互いに勧め合って、愛と善行を促すように注意し合おうではありませんか。 ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励まし合い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではありませんか。」(ヘブル人への手紙11章23-25節)

今月の証
「マキキ・神のOhana」
Written by 桑子・芽衣子

私は 小さい頃に公園で仲良くなった山口美和ちゃんに教会に誘われて、小学生の頃から マキキ教会のサ ンデースクールに毎週通っていました。サンデースクールで育ったと言ってもいいくらい、家族のよう にマキキの皆さんは接してくれました。マキキに来る前は、私も母もクリスチャンでは無かったので、 最初は友達の美和ちゃんに会えるし、新しいお友達にも出会えるから、「サンデースクールは楽しい ところ」と言うような考え方でした。 中学に上がる前に両親の離婚があり、落ち込んでしまい、人と関わるのが嫌になってしまいました。 なぜ幸せだと思っていた家族が急にバラバラになるのか理解できず、 「Why is this happening to me!?」と神様に怒りをぶつけるようになりました。聖書を読むのも賛美をするのもその時は嫌でした。 そんな時、マキキのユースグループに誘われ、教会のキャンプやイベントに参加するようになり、賛 美をしたり、祈ることで神様の言葉が心に響き、クリスチャンの仲間と打ちとけていきました。英語部 との合同イベントなどでは、通訳の奉仕もさせてもらうようになって、日常生活の中で神様の存在が 当たり前になりました。ちょうどその頃、滝本先生のハワイリバイバル・ミッションがあり、祈りの中で、 神様に、今までのいろいろな思いわずらいを、全て主にゆだねてついてきなさい。。。と示され、最後 のcallingの時に「イエス様に着いていきたい」と決心して、2008年の1月1日に洗礼を受けました。

「神からのあふれる恵みを他の人と分かち合いなさい」

その同じ年の第二回レインボーコネクションのアンバサダーの一人として、高知に行かせて頂き、通 訳の奉仕を通して、初めての伝道体験をしました。ゴスペルフラや賛美を一緒にしながら、高知の 生徒達が、段々と心を開いてイエス様の話を聞いてくれて、たくさん祝福されました。 その後、金曜日の学生バイブルスタディでは、本当の兄弟姉妹のように言いたいことが言い合える 自分の居場所がえられました。

ユースバンドの賛美大会をとうして、他の日本語教会のユースと親し く交わることが出来ました。その数年後にはカリフォルニアで毎年行われるequipper conferenceでア メリカ本土に住むクリスチャンの仲間と神様のことを学び合い、話し合い、祈り合う深い交わりの機会 を与えられました。マキキファミリーのユースから、ハワイの日本語教会に広がり、それがまたアメリ カやカナダのユースクリスチャンへの交わりとして広がったのです。 第一ペテロの手紙4:10 「神は~あなたがた一人一人に賜物を与えておられます。それぞれに与えられた賜物によって、互いに 助け合い、神からのあふれる恵みを他(た)の人と分かち合いなさい。」 日本に帰ったら、通訳の奉仕を続けて、マキキ教会で出会った兄弟姉妹のようなクリスチャンの仲間 とともに一人でも多くの人に神様のみ言葉を伝えて行きたいと思います。日本での伝道の為にお祈 りお願いします。 今まで支えて下さった、マキキ教会のOhanaとお別れするのはとても寂しくなりますが、またハワイに 遊びに来ますので、その時はまたよろしくお願いします。ありがとうございました

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